マイピア(群馬県太田市)・2代目ならではの苦悩を乗り越えて

2017年08月17日

マイピアは、1976年創業、大手パンメーカーで研究開発を行なっていた大村隆秀さんが、オープンしたパン屋さん。こだわり抜いた味と幅広い種類で、地域住民から絶大な支持を集めている、群馬県太田市の人気パン屋さんです。

今回は、その人気の秘密を探るため、2代目代表・大村田(でん)さんに取材を行ってまいりました。

大村 田さん PROFILE
太田東高卒業後、東京農大で小麦の酵素などについて学び、埼玉県の店で5年間修業。パンのワールドカップとも言われる「iba cup」にて4位入賞。現在はマイピアの2代目代表として、日々パン作りに励んでいる。

誠実に「おいしい」を追求

ー 田さん、お忙しい中ありがとうございます。まずはマイピアの「人気の秘密」を教えていただけますか。恐れ入りますが、ぶっちゃけトークでよろしくお願いします。

大村 わざわざ来ていただいてありがとうございます。けれども「人気の秘密」とか無いですよ(笑)ご質問には、全部お答えしますので、よろしくお願いします。

ー 頑張って探っていきたいと思います(笑)ではまず、マイピアさんのこだわりや特徴を教えていただけますか?

大村 やっぱりマイピアは味にこだわっています。「マイピアのパンは高い」と言われちゃうこともあるんですけれども、原料にすごくこだわっているので、どうしても金額は相応の値段になっています。

「とりあえず良い原料を使えばいい」という考えでやってるわけではなく、沢山の原料を比較して、値段のバランスも考えた上で、一生懸命選んでいます。決して利益を上げるために値段を高くしているわけではありません。むしろ、限界ギリギリでやっています。

スーパーで売っているパンと比べると高いかもしれませんが、実は原料や手間を考えると、かなり安い金額なんです。儲けを考えれば、バターをマーガリンに変える等、色々な方法があります。99%がマーガリンでバターの割合を1%にするだけでも「バターを使っています」という表記は出来ちゃいますしね。

けれども、そういうことはしたく無いんですよね。利益を追いかけるより、「おいしい」を追求したいんです。商売が下手なだけかもしれませんけど(笑)

マイピアの創業者である父と意見が対立したことは、何回もありますが、「味を大切にする」という点では、一切討論したことがありませんね。父も開店以来、ずっと味を大切にしてきていました。

香食 – 柔らかく、ミルクの優しい甘みが特徴の贅沢な食パン。「マイピアに来ていただいたら、1度は食べていただきたいです!」と、田さんも力強くアピール。

アポなしドイツ修行

ー 田さんは、現在お父様の跡を引き継いでマイピアの代表に就任されていますが、小さい頃からずっとパン作りを手伝ってきたんでしょうか?田さんのこれまでの経緯を教えていただきたいです。

大村 全然手伝っていません(笑)サッカー少年でした。パン屋はどちらかというと消去法で選びました。「自分に何かやりたいことあるかな?まぁでも実家がパン屋だしな」みたいな感じです。

なので、高校卒業後は実家で仕事を手伝おうと思っていたんですが、父からは大学に進学した方がいいという提言を受けて、東京農大に進学しました。大学で勉強した食品に関する色々な知識は、今とっても役立っています。

大学卒業後は、埼玉のパン屋さんに勤めて、そこで5年間修行をさせてもらいました。パン作りの修行だけでなく、人としても成長させてもらいました。「休みをあげるからドイツで修行してこい」と言われて、お小遣いをもらってドイツに飛んだこともあります。

ー すごく親切な師匠なんですね。

大村 そうですね。けれども少しクレイジーな部分があって(笑)お小遣いをもらったはいいんですが、航空券分しかなくて、宿泊代は無かったんです。だから、ドイツでは着いたその日に「住み込みで働かせてください」と飛び込みでパン屋さんを訪問しました。もちろん、片言の英語です(笑)よく無事に行って、戻ってこれたなと今では思います。

ー ドイツではどのようなことを学ばれましたか?

大村 パン作りのことはもちろんですけれども、仕事に対する価値観には驚きましたね。「もっと色んな種類のパンを作ればいいんじゃないの?」って尋ねた時には「それをすると、1日の仕事が終わらないよ」という答えが返ってきました。日本は現在でこそ、働く時間に関する意識が変わりつつありますが、ドイツでは「残業をしない」というのがずっと当たり前のことだったんです。だから、仕事の仕方はとっても合理的でした。無駄が無いんです。

お店を長く運営していく上で、「残業をしない」ということはとても大事なことだということを、ドイツに行ったことで自分は一足先に学べたと思います。

ベテラン職人との対立

ー 大学での勉強や師匠との出会い、ドイツ修行を経て、田さんがマイピアに戻ってきた後、マイピアというお店に変化は起きましたか。

大村 変化は起きました。痛みを伴いましたけどね。自分自身「こういう風にしたい」「こうした方がいい」という想いが結構強くて、当時いたパン作りの職人さんとは意見が大きく対立してしまいました。

結果、3人いた職人さんが全員辞めてしまいました。いきなりベテランの職人さんが3人辞めちゃったんです。もうお店は大変です。父と2人、睡眠時間が2〜3時間の日が続きました。肉体的にも精神的にも、すごく辛かったですね。周囲の人からも、きっと、「いきなり来たコイツのせいで」とか「2代目だからって偉そうに」みたいな目で見られていたと思います。

ミュンヘンで開催されたiba cup(パン作りの世界大会)に出ようと思ったのも、それがきっかけです。必死でトレーニングを重ねて、日本代表を勝ち取り、4位に入賞することができました。微妙な順位なんですけどね。

けれども、それをきっかけにメディアから取材が来たりと、環境が大きく変わったおかげで、周囲の人からも信頼を得られるようになったと思います。買いに来てくれる人も増え、「マイピアのパンは美味しいよね」と言っていただける機会もさらに増えました。今では、マイピアのパン作りは基本的に全て任せてもらっているので、きっと父も認めてくれているんだろうと思います。

常に味の追求を行い、新作もどんどんリリース。こだわりの味は、常連客の期待を裏切らない。

地域のコミュニティを目指して

ー 2代目ならではの苦悩を乗り越えて来た田さんが、今後目指しているものを教えていただけますか?

大村 やっぱり「美味しいパン」を通して、多くの人に喜んでもらいたいですね。一生懸命パンを作ることはもちろんですが、親子でパン作りを楽しむ機会を作ったり、お友達同士で過ごす楽しい時間をプロデュースしたりしたいと思っています。

パン作り教室は小規模ですが、既に開催しています。とっても喜んでもらえているので、手応えを感じています。

こどもパン教室、ケーキ作り等、ユニークなワークショップを実施している。

そして来年にはリニューアルを行い、新しい形の店舗にしたいと思っています。カフェ併設のパン屋さんです。

人工知能や自動車の共有サービス、ドローンのニュースを見ていると、音声注文で発注が完了し、数時間で商品が届くようになる日も近いような気がしています。けれども、どんどん便利になっていく反面、外出する理由がどんどん減り、孤独化が始まると思います。

カフェを併設する理由は、地域のコミュニティを作るためです。食事はもちろん、パン作り等のワークショップを通して、コミュニケーションが生まれる場所を作りたいと思っています。計画は着々と進んでいますので、ぜひ多くの人に期待して欲しいです。

(インタビュー:GRUPP 木村)

大村 田さん PROFILE
太田東高卒業後、東京農大で小麦の酵素などについて学び、埼玉県の店で5年間修業。パンのワールドカップとも言われる「iba cup」にて4位入賞。現在はマイピアの2代目代表として、日々パン作りに励んでいる。

GRUPPでマイピアの詳細をチェック


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